专利摘要:
架橋スルホン化トリブロック共重合体は、典型的に直接メタノール型燃料電池に使用されるパーフルオロ化プロトン伝導膜に対して、低いメタノール透過性及び優れた物理的強度を示す。燃料電池膜として使用され得るトリブロック共重合体の例は、SEBS、SIBS及びSEPSを含む。化学的に架橋及びスルホン化されたSIBS、SEBS及びSEPSは、非架橋対象物よりも低い膨張率を示し、且つ高いスルホン化度を許容する。これらの共重合体は、周知の手順を使用してスルホン化され、典型的なパーフルオロ化プロトン伝導膜よりも安価で製造することができる。
公开号:JP2011506675A
申请号:JP2010538015
申请日:2008-11-07
公开日:2011-03-03
发明作者:アゴタ・エフ・フェヘールヴァーリ
申请人:ボーズ・コーポレーションBose Corporation;
IPC主号:C08J5-22
专利说明:

[0001] 本発明は、燃料電池及び燃料電池に使用される高分子電解質膜に関する。]
背景技術

[0002] 図1は、典型的な高分子電解質燃料電池を示す図である。図1において、膜電極アセンブリ(MEA)150は、ガスケット120によって支持され、燃料供給システム130と酸化剤供給システム140との間に位置している。MEA150は、高分子電解質膜(PEM)155と、PEM155のアノード表面上のアノード触媒層153と、アノード触媒層153を被覆するアノード拡散層151と、PEM155のカソード表面上にカソード触媒層157と、カソード触媒層157を被覆するカソード拡散層159とを備える。] 図1
[0003] PEMは、電子のPEMの通過を妨げると同時に、アノードからカソードへとPEMを通ってプロトンが移動できるようなプロトン透過性の絶縁膜である。典型的に燃料電池に使用されるPEMの例は、デュポン社のNafion(登録商標)プラスチック膜として入手可能なスルホン化テトラフルオロエチレン共重合体膜などのパーフルオロスルホン酸膜である。アノード触媒層153は、アノードの反応率を増加させるための白金などの触媒を含む。アノード拡散層151は典型的に、アノード反応の反応物及び生成物がアノード触媒層153と燃料供給システム120との間で移動することを可能にすると同時に、アノード反応によって生成した電子をアノード触媒層153から外部負荷(external load)へと伝達するカーボン紙または布などの多孔性導電体である。カソード触媒層157は、カソード反応率を増加させるための白金などの触媒を含む。カソード拡散層159は典型的に、カソード反応の反応物及び生成物がカソード触媒層157と酸化剤供給システム140との間で移動することを可能にすると同時に、電子を外部負荷(external load)からカソード触媒層157へと伝達するカーボン紙または布などの多孔性導電体である。]
[0004] 燃料供給システム130は、燃料をアノード触媒層153へと供給し、反応生成物がある場合、反応生成物をアノードから除去する。燃料は、図示されていない燃料プレナムを介して、または燃料分配路を介してアノード触媒層153へと供給され得る。燃料供給システム130は、MEAのアノード側にわたって均一に燃料を分配する流量分配器と、アノードの含水量を制御するための加湿器と、アノードに流入する材料またはアノードから流出する材料の流量を制御するためのバルブ及びポンプとを備え得る。典型的には、加湿器及びポンプは燃料電池の外部に配置されるが、燃料電池の全体的な携帯性に寄与する。水素燃料電池において燃料が水素である場合、アノード側ではプロトン以外のいかなる反応生成物も生成されない。燃料がメタノールである場合、メタノールは改質装置を使用して水素に変換されるかまたはアノードに直接適用されることが可能である。メタノールがアノードに直接供給される場合、燃料電池は直接メタノール型燃料電池(DMFC)と称され、アノードではアノード触媒層へメタノールと共に水が供給されなければならない。アノードに十分な水が供給されないと、メタノールが不完全に酸化されてホルムアルデヒドまたはギ酸などの反応生成物が形成され得る。燃料の不完全酸化は、燃料電池で生成されるエネルギーを減少させ、燃料電池の効率を低減する。]
[0005] 酸化剤供給システム140は、酸化剤供給路145を介して酸化剤をカソード触媒層157へと供給し、反応生成物をカソードから除去する。酸化剤は一般的に酸素であり、純酸素または酸素富化空気が酸化剤として使用され得るが、好都合に空気として提供されることも可能である。アノードからPEMを通って移動したプロトンは、カソードで酸化剤と再結合され、カソード反応生成物として水を生成する。DMFCにおいて、カソードで生成された水は、燃料供給システムへと供給され得る。酸化剤供給システム140は、MEAのカソード表面にわたって酸化剤を分配する流量分配器と、加湿器と、貯水タンクと、カソードに流入する材料またはカソードから流出する材料の流量を制御するためのポンプ、送風機及びバルブとを備え得る。典型的には、加湿器、貯水タンク、ポンプ及びバルブは燃料電池の外部に配置されるが、燃料電池の全体的容積に寄与する。]
課題を解決するための手段

[0006] 架橋スルホン化トリブロック共重合体は、直接メタノール型燃料電池に典型的に使用されるパーフルオロ化プロトンと比較して、低いメタノール透過性及び優れた物理強度を示す。燃料電池膜として使用することができるトリブロック共重合体の例は、SEBS、SIBS及びSEPSを含む。化学的に架橋及びスルホン化されたSIBS、SEBS及びSEPSは、非架橋対照物より低い膨張性を示し、且つ高いスルホン化度を許容する。これらの共重合体は、周知の手順を使用してスルホン化され、典型的なパーフルオロ化プロトン伝導膜よりも安価で製造されることができる。]
[0007] 本発明の1実施形態は、エラストマーブロック及び化学的に架橋及びスルホン化されたプラスチックブロックを有するマルチブロック共重合体を含む高分子電解質膜に関する。1側面では、マルチブロック共重合体は、トリブロック共重合体である。さらなる側面では、トリブロック共重合体は、SIBSである。別の側面では、トリブロック共重合体は、SIBSと、SEBSと、SEPSとからなる群から選択される。1側面では、プラスチックブロックは、芳香環を有する高分子を含む。別の側面では、プラスチックブロックは、スチレン高分子を含む。1側面では、膜は、トルエン及び1−ヘキサノール85/15(w/w)の混合物に少なくとも60%不溶性である。さらなる側面では、膜は、30質量%スチレン含有のマルチブロック共重合体に基づいて少なくとも1.5meq酸/gのIECを有することを特徴とする。さらなる側面では、膜は水中で350%未満膨張することを特徴とする。]
[0008] 本発明の別の実施形態は、エラストマーブロックと芳香環を有するプラスチックブロックとを有するマルチブロック共重合体を提供する段階と、プラスチックブロックを架橋する段階と、プラスチックブロックをスルホン化する段階と、を含む高分子電解質膜の製造方法に関する。1側面では、本方法は、マルチブロック共重合体を膜成形する段階をさらに含む。別の側面では、本方法は、プラスチックブロック上の芳香環をハロメチル化する段階をさらに含む。さらなる側面では、架橋段階をスルホン化段階以前に実施する。さらなる側面では、架橋段階は、マルチブロック共重合体に架橋剤を添加する段階を含む。さらなる側面では、架橋剤は、芳香環上のハロメチル基と反応性を有する少なくとも2つの末端基によって特徴付けられる。さらなる側面では、架橋剤は、少なくとも2つのアミン末端基を含む。さらなる側面では、架橋剤は、ヘキサメチレンジアミンと、ヘキサメチレンジアミンカルバメートと、フェニレンジアミンと、ヒドロキノンとからなる群から選択される。さらなる側面では、架橋段階は架橋反応を促進する熱処理をさらに含む。別の側面では、架橋段階をスルホン化段階と同時に実施する。さらなる側面では、架橋及びスルホン化は、ルイス酸試薬を使用する。さらなる側面では、ルイス酸試薬は、アセチル硫酸と、クロロスルホン酸とからなる群から選択される。別の側面では、架橋剤は、芳香環と反応性を有する少なくとも2つの末端基によって特徴付けられる。さらなる側面では、架橋剤は、ホルムアルデヒドと、トリオキサンと、α,α’−ジクロロキシレンと、1,4−ジクロロ−2−ブテンと、ポリ(ビニルベンジルクロリド)と、アジピン酸クロリドとからなる群から選択される。さらなる側面では、スルホン化剤は、アセチル硫酸と、クロロスルホン酸とからなる群から選択される。別の側面では、スルホン化段階を架橋段階以前に実施する。さらなる側面では、スルホン化段階は、マルチブロック共重合体にクロロスルホン酸を添加する段階と、マルチブロック共重合体を熱処理する段階とをさらに含む。さらなる側面では、架橋段階は、スルホン化マルチブロック共重合体にヘキサメチレンジアミンと及びトリエチルアミンを添加する段階と、スルホン化マルチブロック共重合体を熱処理する段階とをさらに含む。]
[0009] 本発明の別の実施形態は、燃料供給システムと、酸化剤供給システムと、スルホン化され、化学的に架橋されたマルチブロック共重合体高分子電解質膜を有する膜電極アセンブリとを備えた燃料電池に関する。]
図面の簡単な説明

[0010] 典型的な高分子電解質燃料電池を示す図である。
本発明の実施形態を示すフローチャートである。
本発明の別の実施形態を示すフローチャートである。
本発明の実施形態の時間に応じた燃料電池電位を示すグラフである。
本発明の別の実施形態の時間に応じた燃料電池電位を示すグラフである。
図5の実施形態における負荷電流に応じた開放電位、燃料電池電位及び燃料電池電力密度を示すグラフである。] 図5
[0011] 直接メタノール型燃料電池(DMFC)の重要な構成要素は、高分子電解質膜(PEM)である。PEMは、アノードからカソード側へとプロトンを通過させると同時に、燃料電池のアノード側と燃料電池のカソード側とを分離する。スルホン化テトラフルオロエチレン共重合体がDMFCのPEMとして頻繁に使用される。このような共重合体の例として、デュポン社のNafion(登録商標)共重合体が挙げられる。Nafion共重合体は、スルホン化された基で終端された分岐パーフルオロビニルエーテル基を有するテトラフルオロエチレン骨格を有する。限定するわけではないが、フッ化炭素骨格が膜に熱安定性及び化学的安定性を提供すると同時に、スルホン化された末端基が膜を通してプロトンを伝導する強酸性サイトを提供すると考えられる。しかしながら、Nafion共重合体はメタノールのクロスオーバーを示し、全般的な燃料電池の効率及び寿命を減少させる。メタノールクロスオーバーにおいて、メタノールは膜を介してアノードからカソードへと拡散し、カソード電位を事実上低下し且つ全般的な燃料電池効率を低下させる燃料電池のカソード側反応と競合する。]
[0012] いくつかの実施形態では、PEMは、スルホン化され、化学的に架橋されたマルチブロック共重合体を含む。]
[0013] マルチブロック共重合体は、単一の高分子内に2つまたはそれより多くのブロックを含む。各ブロックは、重合モノマーまたは共重合体を含む。各ブロックを含む高分子の種類及び各ブロックの長さは、例えば強度、耐酸性または耐クリープ性などマルチブロック共重合体の所望の特性を最適化するように選択される。]
[0014] マルチブロック共重合体の例として、SIBS、つまりスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体などのABAブロック共重合体が挙げられる。SIBSにおけるAブロックはスチレンブロックであり、Bブロックはイソブチレンブロックである。当然のことながら、各ブロックは特定のモノマーの高分子であり、モノマー名が高分子名と同じ意味で使用される。SIBSでは、Bブロックは両端がAブロックで終端されている。]
[0015] マルチブロック共重合体は、SIBSトリブロック共重合体のような2つのブロックの種類のみに限定されるものではない。例えばABCブロック共重合体は2つの異なる末端ブロックA及びCを有する。ABCAブロック共重合体は、同一の末端ブロックを有するが、2つの異なる内部ブロックB及びCを含む。ジブロック共重合体ABは、マルチブロック高分子の最も単純な例である。マルチブロック共重合体のその他の例は、直線、分岐または星状分岐骨格を有する共重合体及びグラフト共重合体を含む。以下の説明ではSIBSを例示ブロック共重合体として使用するが、当業者であればこれらの技術をその他のマルチブロック共重合体に応用することが可能であり、本発明の範囲内に含まれるものと理解される。]
[0016] 実施形態によっては、トリブロック共重合体のBブロックとしてエラストマー高分子が選択される。エラストマー高分子は、ガラス転移温度Tgがその使用温度未満であることを特徴とする。直接メタノール型燃料電池(DMFC)の使用温度は典型的に0から80℃である。この例では、Bブロックはエラストマーブロックと称される。ブロック共重合体におけるAブロックは、Aブロックの物理的架橋を介して強度を提供するために、好ましくは使用温度を超えるTgを有する。この例では、Aブロックはプラスチックブロックと称される。]
[0017] エラストマー高分子は、好ましくは骨格中に炭素の二重結合をほぼまたは全く含まない炭素骨格を有し、さらに好ましくは完全に飽和した骨格を有する。限定するわけではないが、炭素二重結合を含まない場合、高分子鎖の耐酸性が増加すると考えられる。このような耐酸性エラストマー高分子の例は、水素化ブタジエン、水素化イソプレン、水素化クロロプレン、及びイソブチレンを含む。エラストマー高分子は、例えばαオレフィンを有するエチレン共重合体などの共重合体であり得る。]
[0018] プラスチックブロックは、スチレンまたはスチレン誘導体、例えばαメチルスチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ヒドロキシスチレン、アセトキシスチレン及びビニルベンジルクロリドなどの芳香環を有する高分子であり得る。プラスチックブロック高分子のその他の例は、インデン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、ジフェニルエチレン、ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピリジン誘導体、例えばビニルメチルピリジン、ビニルブチルピリジン、ビニルキノリン、及びビニルアクリジンなどの高分子を含む。プラスチックブロックは、例えばスチレン及びスチレン誘導体の共重合体などの共重合体であり得る。]
[0019] エラストマーブロックは、好ましくはプラスチックブロックと混和性を有さない。限定するわけでなないが、エラストマー及びプラスチックブロックの非混和性によって、マルチブロック共重合体はプラスチックリッチ領域及びエラストマーリッチ領域に相分離すると考えられる。マルチブロック共重合体のプラスチック領域及びエラストマー領域への自己集合は、ナノメートルスケールで起こると考えられる。プラスチックリッチ領域内での異なる高分子からのプラスチックブロックの物理的エンタングルメントは、マルチブロック共重合体の強度を増加し得るマルチブロック共重合体の物理的架橋を形成する。高分子間に化学結合が形成される加硫とは異なって、プラスチックブロックの物理的エンタングルメントは、エラストマーから浸出させ、燃料電池の動作に影響を及ぼし得る加硫酸を必要としない。さらに、物理的架橋は、熱的に不可逆である加硫とは対照的に熱可逆性である。]
[0020] 予想使用温度がプラスチックブロックのTgに近い場合、プラスチックポリマーブロック内の化学的架橋によって、そのエラストマー特性に大幅な影響を及ぼすことなくマルチブロック共重合体の強度及び耐クリープ性を増加させることができる。これ以降、架橋または化学的架橋とは、2つの高分子間の化学的結合を介した架橋を意味し、例えば非混和性ブロック層による2つの高分子のプロトンのエンタングルメントから生じる物理的架橋と区別される。]
[0021] 化学的架橋をプラスチックリッチ領域に限定することで、エラストマーブロックが大部分を占める膜のエラストマー特性に実質的に影響を及ぼすことなく膜の強度及び耐クリープ性を増加させることができる。例えば、スチレン及びクロロメチルスチレンの共重合体を含むプラスチックブロックは、スチレン/クロロメチル−スチレン共重合体の化学的架橋によってマルチブロック共重合体の強度及び耐クリープ性を増加させることができる。1つの共重合体上のクロロメチル−スチレンマーと別の共重合体のクロロメチルスチレンマーとの間で化学的ブリッジを形成するために、ジアミンまたは多官能アミンを使用することができる。別の実施例では、別の共重合体分子上のビニルピリジンへとブリッジを形成するために、ジもしくはトリハライドまたはジもしくはトリエポキシドを使用してスチレン及びビニルピリジンの共重合体を化学的に架橋することができる。別の実施例では、別の共重合体分子上のメタクリレート誘導体と化学的に架橋されるプラスチックブロック共重合体としてメタクリレート誘導体の共重合体を使用することができる。別の実施例では、スチレンのプラスチックブロックは、クロロメチル化を介して共重合体へと変換され得る。変換された共重合体はその後、適切な架橋剤を使用して化学的に架橋され得る。この実施例では、クロロメチル化の際に使用される試薬を調節するかまたは架橋剤の量を調節することによって架橋の程度を制御することができる。]
[0022] エラストマーブロックは開始マルチブロック共重合体の過半数部分であってよく、マルチブロック共重合体の約50容量%から95容量%の範囲を占めることができる。マルチブロック共重合体におけるエラストマーブロックの大部分は、マルチブロック共重合体の形態が連続的なエラストマー相を有することを確実にすると考えられる。マルチブロック共重合体の過半数部分が連続的であることによって、エラストマーブロックの高耐食性及び低メタノール透過性が、マルチブロック共重合体中で実質的に維持される。]
[0023] マルチブロック共重合体は、リビング重合法を使用して製造することができ、さまざまな製造業者から入手可能である。例えば、SIBSトリブロック共重合体は、Kaneka Texas Corporation of Pasadena, TexasからSIBSTARの商標名の下で販売されている。マルチブロック共重合体のその他の例は、Kraton PolymerLLC of Houston, TexasからKraton G 1652として、またはDynasol of MexicoからCalprene H1670として販売されているSEBSトリブロック共重合体を含む。マルチブロック共重合体の別の例は、Kraton Polymer LLC of Houston, TexasからKraton G 1730Mとして販売されているSEPSトリブロック共重合体を含む。マルチブロック共重合体を燃料電池PEMへと加工処理する方法は、当業者に周知のいかなる方法を使用してもよく、マルチブロック共重合体をプラスチックブロックのTg以上に加熱する段階、所望の形状へ射出成形または注型成形する段階、及びプラスチックブロックのTg以下に膜を冷却する段階を含む。]
[0024] 図2はPEMの製造工程を示すフロー図である。例示の目的のために、典型的な共重合体としてスチレン−イソブチレン−スチレンのトリブロック共重合体(SIBS)を使用したが、本発明の教示を採用することによってその他のマルチブロック共重合体をPEMとして使用することも可能である。SIBSなどのトリブロック共重合体を220でハロメチル化し、230で鋳型に流し込む。240で成形膜を化学的に架橋し、250でスルホン化してスルホン化架橋PEMを製造する。] 図2
[0025] ハロメチル化によって、スチレンマーのフェニル環にハロメチル基が付加される。ハロメチル基のハロゲン部分は、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲンであってよい。限定するわけではないが、付加されたハロメチル基は、アミン、アルコールまたはチオールと反応して、離脱基としてハロゲン原子と架橋を形成することができると考えられる。トリブロック共重合体のプラスチックブロックにおけるスチレンユニットのクロロメチル化は、非特許文献1及び非特許文献2に記載の方法に従う。トリオキサン及びクロロトリメチルシランをクロロホルムに溶解させた溶液を調製する。この溶液に、塩化第二スズとともにトリブロック共重合体を加える。溶液を撹拌し、0℃で30分間維持する。溶液を撹拌し、所望の官能基化の程度に応じて室温で2〜6時間維持する。50/50容量/容量メタノール/水を溶液に加えることによって反応を停止する。その後、クロロホルム/メタノールでの複数回の溶解/沈殿サイクルによって、クロロメチル化トリブロック共重合体を精製した後、真空乾燥する。官能基化の程度またはクロロメチル化されたフェニル環の割合は、溶液に加える第二塩化スズの量及び反応時間によって制御することができる。第二塩化スズを増加すると、反応時間を増加した場合と同様に官能基化の程度が増加する。以下の実施例では、約3〜77%のスチレンのクロロメチル化を有するクロロメチル化トリブロック共重合体を使用して燃料電池膜を形成する。]
[0026] クロロメチル化SIBS共重合体を溶液から膜へと成形してゆっくり乾燥させる。共重合体のスチレン部分及びイソブチレン部分の非混和性から生じる物理的架橋は、膜を乾燥させる間にコヒーレント膜の形成に十分な強度を与える。]
[0027] 架橋剤分子をスチレンマーのフェニル環上のクロロメチル基と反応させることによってクロロメチル化SIBSを架橋することができる。架橋剤分子は、好ましくはクロロメチル基と反応して異なる共重合体上の芳香環の間に化学的架橋を形成することができる2つまたはそれより多くの反応性末端基を有する。芳香環のクロロメチル基と反応する多官能末端基の例は、アミン、アルコール及びチオールを含む。架橋剤の中間部分は、柔軟性及び耐酸性によって選択してよい。]
[0028] SIBS、SEBS及びSEPSなどのトリブロック共重合体のスチレンブロックを架橋するために使用され得る架橋剤分子の例は、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、フェニレンジアミン、及びヒドロキノンを含む。膜上に架橋剤溶液を注ぎ、膜を乾燥させることによって成形膜を架橋することができる。また、膜を成形及び乾燥する前に、高分子溶液に架橋剤を加えてもよい。乾燥した膜に架橋反応を促進させるために、40〜80℃で1〜48時間熱処理を施してもよい。実施形態によっては、架橋とスルホン化を同時に行うために、架橋熱処理をスルホン化熱処理と組み合わせてもよい。]
[0029] 架橋された膜をアセチル硫酸溶液と反応させることによって、架橋された膜をスルホン化することができる。架橋された膜のスルホン化は、非特許文献3の記載と同様の手順に従う。アセチル硫酸溶液は、無水酢酸を1,2−ジクロロエタンに溶解し、ccH2SO4を滴下することによって調製される。溶液を膜上に注ぎ、1時間から5日の間放置した後に、40〜80℃で1〜75時間熱処理を施してよい。スルホン化された膜を、一定分量の脱イオン水で水のpHが約5となるまで繰り返し洗浄してよい。]
[0030] 図3は、PEMを製造する別の工程を示すフロー図である。例示の目的のために、典型的な共重合体としてスチレン−イソブチレン−スチレンのトリブロック共重合体(SIBS)を使用したが、本発明の教示を採用することによってその他のマルチブロック共重合体をPEMとして使用することも可能である。SIBS共重合体を310でハロメチル化し、320で鋳型に流し込んで膜を形成する。330で例えばアセチル硫酸などのルイス酸試薬を加えることによって膜を架橋及びスルホン化する。限定するわけではないが、ルイス酸の存在下でスチレンマーのフェニル環に付加されるアルキルハライド基は、異なる共重合体のフェニル環の間に化学的架橋を形成する芳香環をアルキル化する。いくつかの実施形態では、スチレンマーのフェニル環は、前述のようにクロロメチル化された後に鋳型に流し込まれる。成形膜は、2〜5日間にわたってゆっくりと乾燥される。アセチル硫酸溶液は、無水酢酸を1,2−ジクロロエタンに溶解し、溶液を氷浴で冷却しながらccH2SO4を冷却された溶液に滴下することによって調製される。冷却されたアセチル硫酸溶液を型の中の膜上に注ぎ、架橋及びスルホン化反応を促進するために熱処理を施す。熱処理は、好ましくは約40〜80℃で約20〜80時間保持される。架橋スルホン化膜を、一定分量の脱イオン水で水のpHが約5となるまで繰り返し洗浄してよい。] 図3
[0031] 成形SIBS膜を架橋及びスルホン化するために、クロロスルホン酸またはフルオロスルホン酸などのハロスルホン酸を使用してよい。架橋及びスルホン化を促進するための熱処理は、0℃から室温程度で3時間から30時間まで変化させることができる。]
[0032] 実施形態によっては、SIBSなどのブロック共重合体のハロメチル化を省略してもよい。例えば、SIBSブロック共重合体をトルエンまたはTHFに溶解し、適量の架橋剤を溶液に加えた後に鋳型に流し込むことができる。約3〜5日間の期間膜をゆっくりと乾燥させた後、乾燥した膜上にスルホン化剤を注いで膜と反応させる。スルホン化反応を促進するために熱処理を使用してもよい。架橋剤は、架橋剤の末端基がプラスチックブロック高分子の芳香環と反応する能力に基づいて選択され、例えばホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド前駆体、二官能性もしくは多官能性酸ハライド、二官能性もしくは多官能性アルキルもしくはアリルハライド、またはジビニル化合物であってよい。適切な架橋剤の例は、ホルムアルデヒド、トリオキサン、α,α’−ジクロロキシレン、ジビニルベンゼン、1,4−ジクロロ−2−ブテン、ポリ(ビニルベンジルクロリド)、及びアジピン酸クロリドを含む。スルホン化剤は、例えばアセチル硫酸及びクロロ硫酸であってよい。]
[0033] SIBSなどのブロック共重合体のハロメチル化は、ブロック共重合体をスルホン化する利点を有するクロロスルホン化段階と置き換えてもよい。SIBS共重合体は、トルエンからSIBSを成形し、乾燥した膜に、無水クロロホルムにクロロスルホン酸を溶解した溶液を加えた後に、膜を穏やかに熱処理することによってクロロスルホン化され得る。スルホン化溶液を除去した後、クロロスルホン化SIBS膜はヘキサメチレンジアミンで架橋され得るが、クロロスルホン化SIBSから生じる酸性条件は、ヘキサメチレンジアミンが架橋を形成する代わりに塩を形成することを防ぐために、トリエチルアミンなどの助剤を必要とし得る。]
[0034] 膜における架橋の有効性を特定するために溶解試験を行うことができる。溶解試験では、非架橋高分子の優れた溶媒として知られた溶媒に膜の一部を浸漬する。その部分は、例えば室温で24時間など、所定の時間及び温度にわたって膨張及び/または溶解される。浸漬後、溶解されていない部分を溶液から除去し、乾燥させて不溶性高分子の重量を測定する。不溶性の比率は、不溶性高分子の重量を不溶性高分子及び可溶性高分子の重量の合計で割ったものである。]
[0035] 溶解試験は、適当な溶媒を選択することによってスルホン化または非スルホン化膜に適用され得る。例えば、85質量%トルエン及び15質量%1−ヘキサノールの混合物は、スルホン化SIBS、SEBS及びSEPSの優れた溶媒である。非スルホン化膜では、トルエンまたはTHFのいずれかが溶媒として使用され得る。スルホン化膜では、約0.1gのスルホン化膜を85質量%トルエン及び15質量%1−ヘキサノールの混合物に浸漬して、室温で一晩膨張/溶解させる。不溶性高分子を分離する前に、混合物を撹拌する。不溶性膜を乾燥させて量り、不溶性高分子の量を特定する。可溶性相は別に回収し、乾燥させて量り、可溶性高分子の量を特定する。不溶性高分子の割合は、不溶性高分子の重量を不溶性高分子及び可溶性高分子の重量の合計で割ったものである。スルホン化架橋膜の不溶性は、約60%から100%であり、過半数の膜が約85%を超える不溶性の値を示す。架橋の前にハロメチル化された膜は、約85%を超える不溶性の値を示す傾向にある。架橋の前にハロメチル化されていない膜は、より広く約60から99.8%の不溶性の値を示す。]
[0036] スルホン化膜の膨張は、既知重量W1のサンプルを室温で水または64質量%メタノール水溶液などの溶媒に浸漬することによって測定され得る。少なくとも30〜60分間の浸漬後、膨張したサンプルの重量W2を測定する。膨張率は、W2をW1で割ることによって計算され、パーセントで報告され得る。限定するわけではないが、スルホン化の程度の増加に応じて膨張が増加し、架橋の程度の増加に応じて膨張は減少するように、膜の膨張率は、スルホン化の程度及び膜における架橋の程度の影響を受ける。前述の方法に従って、Nafionの膨張率は水中で120%、64%メタノール中で185%と測定された。スルホン化及び架橋膜の膨張率は、約120%から1300%程度までの範囲であるが、高膨張の場合においても、架橋膜は水中で溶解せず、ゲルの形成も見られなかった。クロロメチル化SIBSは、直接架橋したSIBSほど膨張しない傾向を示し、一般的に350%以下の膨張率を示し、過半数は250%である。]
[0037] 以下に示す膜の伝導度値は、約23〜24度の室温において脱イオン水中で膨張した膜上で100kHzでの2点面内ACインピーダンス測定によって決定した。膨張した膜の対向する端部を電気接点のためにそれぞれ1”×1”の白金箔で挟み、2つのガラス顕微鏡スライドの間に配置する。ACインピーダンスは、周波数範囲100Hzから100kHzでCH Instrument 66A Electrochemical Workstationを使用して測定した。100kHzでの抵抗R(Ω)を記録して使用し、膜の伝導度δ(S/cm)=L/(Rab)、(ここでLは2つの白金接触箔の対向する内側縁部間の膜片の長さであり、aは膜片の幅をcmで表し、bは膜片の厚さをcmで表す)を計算した。7ミリ厚Nafion膜の伝導度を前述の方法に従って測定すると、約0.095S/cmであった。]
[0038] 以下に示すメタノール透過性は、63℃で模擬試験セルにおいて測定した。密閉ガスケットで囲まれた4cm×4cm膜を、膜電極アセンブリの代わりに模擬試験セルに配置した。約1ml/分の流量で供給されるメタノール溶液に膜の一側を曝露する。膜を透過するメタノール溶液を除去する100ml/分の空気流で膜の他側をフラッシュする。透過したものを濃縮して−50℃に冷却したトラップで回収する。回収時間は、試験する膜の透過性に応じて1.5〜5時間まで変化させる。回収された透過物の量及び組成を記録する。メタノール溶液は、アノード反応の化学量論的組成を表す64%メタノール水溶液または典型的な燃料電池の濃度を表す8%メタノール溶液であってよい。前述の方法に従って、約64%の高メタノール濃度及び約8%の低メタノール濃度の両方で7ミリ厚Nafion膜のメタノール透過性を測定した。高メタノール濃度では、メタノール透過性は6.33g/hであり、透過濃度は約79%メタノールであった。低メタノール濃度では、メタノール透過性は0.63g/hであり、透過濃度は約19%メタノールであった。]
[0039] 以下に示すスルホン化膜の強酸含有量は、HClでの逆滴定によって測定した。膜の一部を一定重量まで真空乾燥する。乾燥した試験部分を既知量及び濃度、典型的に20〜30ml及び0.02NのNaOH水溶液に浸漬して一晩撹拌する。溶液を0.02NのHCl水溶液で逆滴定する。スルホン化架橋ブロック共重合体の滴定曲線は典型的に、おそらく塩基または弱酸官能基、例えば一例としてアミン及び脂肪族スルホン酸などの存在に起因する1つより多くの当量点を示す。HClによって滴定されない強酸は、最後の当量点から計算される。膜のイオン交換能(IEC)としても言及される膜の強酸含有量は、高分子グラム当たりの酸のミリ当量で表され、IEC=0.02*(Vb−Va)/w(ここでVbは0.02NのNaOH溶液の容量、Vaは滴定される0.02NのHCl溶液の容量、wは乾燥した高分子の重量である)によって与えられる。IECは、ブロック共重合体のスチレン含有量にほぼ比例すると予測される。例えば、30質量%のスチレン含有量を有するSIBS共重合体は、同一レベルのスルホン化及び架橋の場合、15質量%のスチレン含有量を有するSIBS共重合体の約2倍のIECを有すると予測される。従って、IEC値は、同一のスチレン含有量に標準化することによって、異なる共重合体のスルホン化レベルを比較することに使用することができる。前述の方法に従って、NafionのIECは0.909meq/gと測定された。]
[0040] クロロメチル化SIBS(CIMeSIBS)が約9.59%クロロメチル化スチレンを含有するように、Kaneka Texas CorporationによるSIBStar(登録商標)103T熱可塑性エラストマーをクロロメチル化した。開始SIBS共重合体は、約30質量%のスチレン含有量及び約130,000の分子量Mwを有した。1.102gの9.59%CIMeSIBSを8.8gのトルエンに溶解させた後、2gのトルエンに0.0173gのヘキサメチレンジアミン(HMDA)を溶解させた溶液をCIMeSIBS溶液に添加し、その後12.5cm×12.5cmのテフロン(登録商標)加工アルミニウム型で成形した。約5日の期間にわたって膜をゆっくりと乾燥させた。溶液を氷浴で冷却しながら5.269gの無水酢酸を9gの1,2−ジクロロエタンに溶解させることによってアセチル硫酸溶液を調製した。無水酢酸溶液を撹拌しながら4.155gのccH2SO4を溶液に滴下した。型の中で予め冷却した膜上にアセチル硫酸溶液を注ぎ、4℃で4.5時間維持した。型及び膜を60℃に加熱して、その温度で73.25時間維持した。型及び膜を室温まで冷却した後、脱イオン水100mlの分量で水のpHが約5となるまで繰り返し洗浄した。膜を乾燥させ、1.385gのスルホン化架橋SIBS膜を得た。膜は、水中で203%の膨張率、64%メタノール水溶液中で222%の膨張率、93.7%の不溶性、及び0.0336S/cmの伝導度を示した。64%メタノール溶液に対する膜のメタノール透過性は、約68%メタノールの透過濃度で、2.34g/hであった。8%メタノール溶液に対する膜のメタノール透過性は、約15%メタノールの透過濃度で0.25g/hであった。膜のIECは1.93meq酸/gであった。]
[0041] 実施例1の膜を直接メタノール型燃料電池において試験した。膜電極アセンブリのアノード及びカソードの白金担持量は、それぞれ約2.8及び1.9mg/cm2であった。燃料電池試験アセンブリは、2A負荷の下で63℃で行い、8%メタノール/水燃料を使用した。図4は、実施例1の膜450及び非架橋スルホン化SIBS膜401における日数に応じた燃料電池電位をボルトで示す。非架橋膜401は、電位が低下し、40日目までに機能しなくなった。これに対して、化学的に架橋した膜は、電位の低下を示さず、160日の稼動にわたって実質的に一定を維持した。約20日目での電位の一時的な低下462は、2Aから3Aへの負荷の変更を反映するものである。同様に、約135日目での電位の一時的な上昇は、2Aから1Aへの負荷の変更を反映するものである。約90日目に稼動電池においてV−I試験464を実施し、約120日目に稼動電池において乾燥試験466を実施した。いずれの試験においても、試験終了後に電位は試験前の値に回復した。] 図4
[0042] クロロメチル化SIBS(CIMeSIBS)が約77%クロロメチル化スチレンを含有するように、実施例1の開始SIBSをクロロメチル化した。1.4gの77%CIMeSIBSを16.9gのトルエンに溶解させた後、この溶液0.5gの分量を、0.3gのN−メチルピロリドン(NMP)中に0.0294gのヘキサメチレンカルバメート(HMDC)を分散したもの0.015gと混合した。混合液をテフロン型で成形し、ゆっくりと乾燥させた。乾燥後、膜を60℃で15時間加熱し、その後100℃で1時間加熱した。乾燥した膜の不溶性成分は、クロロホルム中で約97質量%不溶であった。0.65gの無水酢酸を2gの1,2−ジクロロエタンに溶解させることによってアセチル硫酸溶液を調製した。溶液を撹拌しながら、無水酢酸溶液を氷浴で冷却し、0.42gのccH2SO4を溶液に滴下した。膜をアセチル硫酸溶液に0℃で5分間浸漬し、その後60℃で42時間加熱した。室温まで冷却した後、脱イオン水一定分量で水のpHが約5となるまで膜を繰り返し洗浄した。膜を乾燥させ、0.075gのスルホン化架橋SIBSを得た。膜は、水中で200%の膨張率、64%メタノール水溶液中で260%の膨張率、97%の不溶性、及び0.0037S/cmの伝導度を示した。]
[0043] クロロメチル化SIBS(CIMeSIBS)が約61%クロロメチル化スチレンを含有するように、上述の方法に従って実施例1の開始SIBSをクロロメチル化した。10gのテトラヒドロフラン(THF)に0.8gのクロロメチル化SIBSを溶解した溶液を、2gのTHFに0.07gのフェニレンジアミン(PDA)を溶解した溶液と混合した。混合溶液を12.5cm×12.5cmのテフロン加工アルミニウム型で成形し、成形膜を約2日間にわたってゆっくりと乾燥させた。乾燥した膜を型の中で60℃で7時間加熱し、その後80℃で4.5時間加熱した。乾燥した膜の不溶性成分は、THFに約99質量%不溶であった。5.083gの無水酢酸を5.86gの1,2−ジクロロエタンに溶解させ、氷浴で溶液を冷却することによってアセチル硫酸溶液を調製した。無水酢酸溶液を撹拌しながら4.00gのccH2SO4を滴下した。型の中で室温で膜上にアセチル硫酸溶液を注ぎ、その後60℃で65時間定温放置した。膜を室温まで冷却して、室温で70時間放置した後、脱イオン水100mlの分量で水のpHが約5となるまで繰り返し洗浄した。膜を乾燥させ、0.9005gのスルホン化架橋SIBS膜を得た。膜は、水中で187%の膨張率、64%メタノール水溶液中で175%の膨張率、99.5%の不溶性、及び0.0070S/cmの伝導度を示した。]
[0044] クロロメチル化SIBS(CIMeSIBS)が約61%クロロメチル化スチレンを含有するように、上述の方法に従って実施例1の開始SIBSをクロロメチル化した。12.2gのTHFに0.514gのクロロメチル化SIBSを溶解した溶液を、1.2gのTHFに0.0468gのヒドロキノンを溶解した溶液と混合した。混合溶液を10×10cmのテフロン加工アルミニウム型で成形し、成形膜を約3日間にわたってゆっくりと乾燥させた。乾燥後、成形膜を型の中で80℃で6.5時間加熱した。4.096gの無水酢酸を12.7gの1,2−ジクロロエタンに溶解させ、氷浴で溶液を冷却することによってアセチル硫酸溶液を調製した。無水酢酸溶液を撹拌しながら3.05gのccH2SO4を滴下した。型の中で膜上にアセチル硫酸溶液を注ぎ、43.5時間室温で保持した後、60℃で75時間定温放置した。膜を冷却して室温で24時間放置した後、脱イオン水100mlの分量で水のpHが約5となるまで繰り返し洗浄した。膜を空気乾燥させ、0.557gのスルホン化架橋SIBS膜を得た。膜は、水中で183%の膨張率、64%メタノール水溶液中で191%の膨張率、トルエン85質量%/1−ヘキサノール15質量%の混合溶液中で99.1%の不溶性、及び0.0144S/cmの伝導度を示した。]
[0045] 9.0gのトルエンに1.0gのSIBS(SIBStar 103T)を溶解させた後、この溶液を10×10cmのテフロン型で成形した。成形膜を約4日間にわたって乾燥させた後、真空オーブンで乾燥させた。0.900gのクロロスルホン酸を2.19gの無水クロロホルムに溶解させ、溶液を氷浴で冷却することによってスルホン化溶液を調製した。4℃に保持された型の中で膜上に冷却されたスルホン化溶液を注ぎ、4℃で17時間反応させた後、溶液を膜から除去した。氷浴で冷却しながら1.6gのトリエチルアミン及び0.0845gのHDMAを2.2gの無水クロロホルムに溶解させることによって架橋溶液を調製した。4℃で型の中で膜上に冷却された架橋溶液を注ぎ、型を室温にして3.5時間反応させた。約30gの氷を加えて1時間で氷を融解させることによって、架橋反応を抑制した。1M硫酸溶液30gで膜を80℃で1時間処理した。膜を50mlの脱イオン水で3回洗浄し、50ml分量の脱イオン水で毎回30〜60分間4回沸騰させ、脱イオン水50mlの分量で水のpHが約4.5となるまで洗浄した。膜を乾燥させ、1.123gのスルホン化架橋SIBS膜を得た。膜は、水中で564%の膨張率、64%メタノール水溶液中で497%の膨張率、トルエン85質量%/1−ヘキサノール15質量%の混合溶液中で78.8%の不溶性、及び0.0201S/cmのプロトン伝導度を示した。63%メタノール溶液に対する5ミリ厚の膜のメタノール透過性は、約76%メタノールの透過濃度で、7.97g/hであった。]
[0046] 9.0gのTHFに1.01gのSIBS(SIBStar 103T Kaneka Texas Corporation社の熱可塑性エラストマー)を溶解させた後、この溶液に0.1025gのトリオキサンを加えた。この溶液を12.5×12.5cmのテフロン加工アルミニウム型で成形した。成形膜を約4日間にわたってゆっくりと乾燥させた。0.5855gのクロロスルホン酸を12.0gの1,2−ジクロロエタンに溶解させたものを含む第2溶液を調製して氷浴で冷却した。4℃に保持された型の中で膜上に氷冷した第2溶液を注ぎ、4℃で22.5時間反応させた。第2溶液を膜から除去し、膜を氷で覆い、数時間放置した。その後、脱イオン水100mlの分量で水のpHが約4.5となるまで繰り返し洗浄した。膜を乾燥させ、1.1493gのスルホン化架橋SIBS膜を得た。膜は、水中で382%の膨張率、64%メタノール水溶液中で470%の膨張率、91.4%の不溶性、及び0.0788S/cmの伝導度を示した。63%メタノール溶液に対する4ミリ厚の膜のメタノール透過性は、約81%メタノールの透過濃度で、6.39g/hであった。8.5%メタノール溶液に対する膜のメタノール透過性は、約25%メタノールの透過濃度で、0.45g/hであった。膜のIECは1.85meq酸/gであった。]
[0047] 6.0gのTHFに0.653gのSIBS(SIBStar 103T)を溶解させた後、この溶液に0.0655gのトリオキサンを加えた。この溶液を10×10cmのテフロン加工アルミニウム型で成形し、膜を3日間にわたって乾燥させた。4.405gの無水酢酸を12.45gの1,2−ジクロロエタンに溶解させることによってアセチル硫酸溶液を調製した。この溶液を氷浴で冷却した。溶液を撹拌しながら3.323gのccH2SO4を滴下した。型の中で室温で膜上に氷冷したアセチル硫酸溶液を注いだ。膜を60℃で72時間保持した後、室温まで冷却し、室温で3日間保持した。膜を脱イオン水100mlの分量で水のpHが約5となるまで繰り返し洗浄した。膜には亀裂が生じたが、乾燥させて、約0.8067gのスルホン化架橋SIBS膜を得た。膜は、水中で758%の膨張率、64%メタノール水溶液中で701%の膨張率、99.4%の不溶性、及び0.038S/cmの伝導度を示した。]
[0048] 9.0gのTHFに0.6764gのSEBS(Kraton G 1652M)を溶解させた後、この溶液に0.238gのトリオキサンを加えた。この溶液を10×10cmのテフロン加工アルミニウム型で成形し、膜を5日間にわたって乾燥させた。氷浴で冷却しながら0.5612gのクロロスルホン酸を20gの1,2−ジクロロエタンに溶解させることによってスルホン化溶液を調製した。4℃に保持された型の中で膜上にこの溶液を注ぎ、4℃で24時間反応させた。スルホン化溶液を成形膜から除去し、膜を約50gの氷で覆い、氷を融解させた。脱イオン水100mlの分量で水のpHが約4.5となるまで繰り返し洗浄した。膜を乾燥させ、0.8956gのスルホン化架橋SEBS膜を得た。膜は、水中で328%の膨張率、64%メタノール水溶液中で344%の膨張率、79.4%の不溶性、及び0.1022S/cmの伝導度を示した。強酸成分に基づく膜のIECは1.66meq/gであった。]
[0049] 8.0gのトルエンに0.940gのSIBS(SIBStar 103T)を溶解させた後、この溶液に0.15gのジクロロキシレンを加えた。この溶液を10×10cmのテフロン加工アルミニウム型で成形し、膜を約4日間にわたって乾燥させた後、真空オーブンで乾燥させた。溶液を氷浴で冷却しながら2.653gの無水酢酸を9.96gの1,2−ジクロロエタンに溶解させることによってアセチル硫酸溶液を調製した。無水酢酸溶液を撹拌しながら2.08gのccH2SO4を滴下した。型の中で室温で膜上にアセチル硫酸溶液を注ぎ、室温で2.5時間保持した後、60℃に加熱してその温度で73.5時間保持した。膜を冷却し、脱イオン水100mlの分量で水のpHが約5となるまで繰り返し洗浄した。膜を空気乾燥させて、1.270gのスルホン化架橋SIBS膜を得た。膜は、水中で333%の膨張率、64%メタノール水溶液中で323%の膨張率、85質量%/15質量%トルエン/1−ヘキサノールの溶液中で99.8%の不溶性を示した。脱イオン水中で膨張した膜の伝導度は0.086S/cmであった。64%メタノール溶液に対する5ミリ厚の膜のメタノール透過性は、約76%メタノールの透過濃度で、7.97g/hであった。8%メタノール溶液に対する膜のメタノール透過性は、約14%メタノールの透過濃度で、1.1g/hであった。]
[0050] 10.5gのトルエンに1.00gのSIBS(SIBStar 103T)を溶解させた後、この溶液に0.0775gのポリ(ビニルベンジルクロリド)を加えた。この溶液を12.5×12.5cmのテフロン加工アルミニウム型で成形し、膜を約5日間にわたって乾燥させた。溶液を氷浴で冷却しながら2.633gの無水酢酸を8.62gの1,2−ジクロロエタンに溶解させることによってアセチル硫酸溶液を調製した。無水酢酸溶液を撹拌しながら1.99gのccH2SO4を溶液に滴下した。型の中で膜上にアセチル硫酸溶液を注ぎ、4℃で4.5時間保持した。その後膜を60℃に加熱し、その温度で73.25時間保持した後、冷却した。脱イオン水100mlの分量で水のpHが約5となるまで膜を繰り返し洗浄した。膜を乾燥させて、1.336gのスルホン化架橋SIBS膜を得た。膜は、水中で789%の膨張率、64%メタノール水溶液中で597%の膨張率、85質量%/15質量%トルエン/1−ヘキサノールの溶液中で96.8%の不溶性を示した。脱イオン水中で膨張した膜の伝導度は0.0674S/cmであった。]
[0051] 11.0gのトルエンに1.261gのSIBS(SIBStar 103T)を溶解させた後、この溶液に0.2114gのアジピン酸クロリドを加えた。この溶液を12.5×12.5cmのテフロン加工アルミニウム型で成形した。膜を約4日間にわたってゆっくりと乾燥させた。0.420gのクロロスルホン酸を13.37gの1,2−ジクロロエタンに溶解させたものを含む第2溶液を調製して氷浴で冷却した。4℃に保持された型の中で膜上に氷冷した第2溶液を注ぎ、4℃で18.3時間反応させた。冷却した0.8325gのクロロスルホン酸を10.5gの1,2−ジクロロエタンに溶解させた溶液の追加の分量を型の中で膜上に注ぎ、さらに27時間反応させた。第2溶液を膜から除去した後、脱イオン水100mlの分量で水のpHが約5となるまで繰り返し洗浄した。膜を乾燥させ、1.5609gのスルホン化架橋SIBS膜を得た。膜は、水中で709%の膨張率、64%メタノール水溶液中で789%の膨張率、84.7%の不溶性、及び0.057S/cmの伝導度を示した。膜のIECは1.77meq/gであった。]
[0052] 9.0gのTHFに0.646gのSEBS(Kraton G 1652M)を溶解させた後、この溶液に0.180gのアジピン酸クロリドを加えた。この溶液を10×10cmのテフロン型で成形し、膜を5日間にわたって乾燥させた。氷浴で冷却しながら0.952gのクロロスルホン酸を20gの1,2−ジクロロエタンに溶解させることによってスルホン化溶液を調製した。4℃に保持された型の中で膜上にこの溶液を注ぎ、4℃で23.5時間反応させた。スルホン化溶液を成形膜から除去し、膜を約50gの氷で覆い、氷を融解させた。脱イオン水100mlの分量で水のpHが約4.5となるまで膜を繰り返し洗浄した。膜を乾燥させ、0.877gのスルホン化架橋SEBS膜を得た。膜は、水中で547%の膨張率、64%メタノール水溶液中で451%の膨張率、96.5%の不溶性、及び0.077S/cmの伝導度を示した。]
[0053] 前述の方法に続いて、クロロメチル化SIBS(CIMeSIBS)が約9.59%のクロロメチル化スチレンを含有するように実施例1の開始SIBSをクロロメチル化した。13.7gのトルエンに1.0gのクロロメチル化SIBSを溶解させた溶液を12.5×12.5cmのテフロン加工アルミニウム型で成形し、膜を約5日間にわたってゆっくりと乾燥させた。溶液を氷浴で冷却しながら3.181gの無水酢酸を12.5gの1,2−ジクロロエタンに溶解させることによってアセチル硫酸溶液を調製した。無水酢酸溶液を撹拌しながら2.468gのccH2SO4を滴下した。型の中で膜上にアセチル硫酸溶液を注ぎ、4℃で1.5時間保持した後、室温に至らせて室温で2時間保持した。その後、膜を60℃で71時間保持し、室温まで冷却した。膜を室温で3日間保持した後、脱イオン水100mlの分量で水のpHが約5となるまで繰り返し洗浄した。膜を乾燥させて、1.277gのスルホン化架橋SIBS膜を得た。膜は、水中で197%の膨張率、64%メタノール水溶液中で190%の膨張率、85質量%トルエン/15質量%1−ヘキサノールの溶液中で99.7%の不溶性、0.1028S/cmの伝導度を示した。65%メタノール溶液に対する4ミリ厚の膜のメタノール透過性は、約74%メタノールの透過濃度で、4.18g/hであった。8%メタノール溶液に対する膜のメタノール透過性は、約19%メタノールの透過濃度で、0.36g/hであった。膜のIECは1.96meq酸/gであった。]
[0054] 実施例14の膜を直接メタノール型燃料電池において試験した。膜電極アセンブリのアノード及びカソード白金担持量は、それぞれ約2.9及び1.9mg/cm2であった。燃料電池試験アセンブリを63℃に保持し、8%メタノール/水燃料を使用した。図5は、実施例14の膜550及びスルホン化非架橋SIBS膜401の2A負荷の下での燃料電池電位を示す。図5は、実施例14の膜が、燃料電池動作が設計された160日間にわたって約0.4Vのほぼ一定の電位を維持したことを示している。対照的に、スルホン化非架橋SIBS膜の電池電位は、時間とともに減少し、40日より前に機能しなくなった。燃料電池動作の間、動作条件を変更して、燃料電池がこれらの過渡状態から回復する性能を測定した。約20日間の動作の後(572)、負荷電流を3.5Aに増加すると電位が降下したが、負荷電流を2Aに戻すと回復した。約90日の動作の後(574)、燃料電池を様々な負荷電流で作動させ、燃料電池のV−I特性を測定した。約120日から140日までの間に、燃料電池を停止して脱水によって膜を乾燥させ、室温で保持し(576)、MEAのアノードおよびカソードの両側を脱水して乾燥窒素ガスでフラッシュし(577)、85℃まで加熱した後にMEAのアノード及びカソードの両側を乾燥窒素ガスでフラッシュしながら冷却する乾燥実験を実施した(576、577、578)。燃料電池に燃料を再充填して乾燥した膜及びMEAに水分を補給した後、再開した。図5は、乾燥が燃料電池性能に実質的な影響を及ぼすことはなく、約165日で動作を停止するまで燃料電池が約0.4Vのほぼ一定の電位を維持したことを示している。図6は、負荷電流に応じた燃料電池の電位(V)630、開路電位(V)610、及び出力密度(mW/cm2)を示す。測定は燃料電池動作約20及び90日後に行い、約3.5Aで約65mW/cm2の最大出力密度を示す。] 図5 図6
[0055] SIBSのクロロメチル化に続いて、スチレン末端ブロック及び水素化ブタジエン中間ブロックのクロロメチル化トリブロック共重合体(SEBS)を調製した。トリブロック共重合体は、30質量%スチレンを有するKraton G 1652スチレン−b−エチレン/ブチレン−b−スチレントリブロック共重合体であった。スチレンユニットの約10.1%がクロロメチル化されるようにトリブロック共重合体をクロロメチル化した。8.5gのTHFに0.6532gのクロロメチル化SEBSを溶解させた後、この溶液を12.5×12.5cmのテフロン加工アルミニウム型で成形し、3日間にわたって乾燥させた。溶液を氷浴で冷却しながら4.28gの無水酢酸を10gの1,2−ジクロロエタンに溶解させることによってアセチル硫酸溶液を調製した。無水酢酸溶液を撹拌しながら3.033gのccH2SO4を滴下した。室温に保持された型の中で膜上にアセチル硫酸溶液を注ぎ、20分間放置した。膜及び型の温度を60℃に加熱してその温度で73.5時間保持した。膜及び型を室温まで冷却し、室温で3日間保持した。脱イオン水100mlの分量で水のpHが約5となるまで膜を繰り返し洗浄した。膜を空気乾燥させて、0.7984gのスルホン化架橋SEBS膜を得た。膜は、水中で236%の膨張率、64%メタノール水溶液中で238%の膨張率、85質量%/15質量%トルエン/1−ヘキサノールの溶液中で99.4%の不溶性を示し、プロトン伝導度は0.0533S/cmであった。64%メタノール溶液に対する2ミリ厚の膜のメタノール透過性は、約66%メタノールの透過濃度で、2.5g/hであった。8%メタノール溶液に対する膜のメタノール透過性は、約15%メタノールの透過濃度で、0.24g/hであった。膜のIECは1.61meq酸/gであった。]
[0056] SIBSのクロロメチル化に続いて、スチレン末端ブロック及び水素化イソプレン中間ブロックのクロロメチル化トリブロック共重合体(SEPS)を調製した。トリブロック共重合体は、20質量%スチレンを有するKraton G 1730Mスチレン−b−エチレン/プロピレン−b−スチレントリブロック共重合体であった。スチレンユニットの約7.95%がクロロメチル化されるようにトリブロック共重合体をクロロメチル化した。8.5gのTHFに0.650gのクロロメチル化SEPSを溶解させた後、この溶液を12.5×12.5cmのテフロン加工アルミニウム型で成形し、3日間にわたって乾燥させた。例AF8130で説明した手順に続いてアセチル硫酸溶液を調製した。室温に保持された型の中で膜上にアセチル硫酸溶液を注ぎ、20分間放置した。膜及び型の温度を60℃に加熱してその温度で73.5時間保持した。膜及び型を室温まで冷却し、室温で3日間保持した。脱イオン水100mlの分量で水のpHが約5となるまで膜を繰り返し洗浄した。膜を空気乾燥させて、0.7235gのスルホン化架橋SEPS膜を得た。膜は、水中で223%の膨張率、64%メタノール水溶液中で242%の膨張率、85質量%/15質量%トルエン/1−ヘキサノールの溶液中で99.4%の不溶性を示し、プロトン伝導度は0.0485S/cmであった。65%メタノール溶液に対する2ミリ厚の膜のメタノール透過性は、約75%メタノールの透過濃度で、4.56g/hであった。8%メタノール溶液に対する膜のメタノール透過性は、約21%メタノールの透過濃度で、0.36g/hであった。膜のIECは1.19meq酸/gであった。]
[0057] 前述の方法に続いて、クロロメチル化SIBS(CIMeSIBS)が約11%のクロロメチル化スチレンを含有するように実施例1の開始SIBSをクロロメチル化した。11gのトルエンに1.003gのクロロメチル化SIBSを溶解させた溶液を10×120cmのテフロン加工アルミニウム型で成形し、膜を約4日間にわたってゆっくりと乾燥させた。1.237gのクロロスルホン酸を19.85gの1,2−ジクロロエタンに溶解させた酸溶液を氷浴で調製した。4℃に保持された型の中で膜上に酸溶液を注ぎ、24時間放置した。膜及び溶液を室温に至らせてそのまま3.75時間保持した。成形膜を酸溶液から取り出し、脱イオン水で水のpHが約5となるまで繰り返し洗浄した。膜を乾燥させ、1.317gのスルホン化架橋SIBS膜を得た。膜は、水中で193%の膨張率、64%メタノール水溶液中で192%の膨張率、85質量%トルエン/15質量%1−ヘキサノールの溶液中で96.5%の不溶性を示し、0.0722S/cmの伝導度を示した。]
実施例

[0058] 本発明の少なくとも例示的実施形態を説明したが、当業者によって多様な修正及び改良が容易に行われ、それらも本発明の範囲内に含まれることを意図するものである。従って、前述の記載は例示のみを目的とし、限定を目的とするものではない。本発明は以下の特許請求の範囲で定義されるもの及びそれらと同等のもののみによって限定される。]
[0059] 120ガスケット
130燃料供給システム
135燃料供給路
140酸化剤供給システム
145酸化剤供給路
150MEA
151アノード拡散層
153アノード触媒層
157カソード触媒層
159 カソード拡散層]
权利要求:

請求項1
エラストマーブロック及びプラスチックブロックを有するマルチブロック共重合体を含み、前記プラスチックブロックが化学的に架橋及びスルホン化されたことを特徴とする高分子電解質膜。
請求項2
前記トリブロック共重合体が、SIBSと、SEBSと、SEPSとからなる群から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子電解質膜。
請求項3
前記膜が、30質量%スチレン含有の前記マルチブロック共重合体に基づいて、少なくとも1.5meq酸/gのIECを有することを特徴とする請求項1または2に記載の高分子電解質膜。
請求項4
前記膜が、トルエン及び1−ヘキサノール85/15(質量/質量)の混合物に少なくとも60%不溶性であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の高分子電解質膜。
請求項5
前記膜が、水中で350%未満膨張することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の高分子電解質膜。
請求項6
エラストマーブロックと、芳香環を有するプラスチックブロックとを有するマルチブロック共重合体を提供する段階と、前記プラスチックブロックを架橋する段階と、前記プラスチックブロックをスルホン化する段階と、を含むことを特徴とする高分子電解質膜の製造方法。
請求項7
前記プラスチックブロック上の前記芳香環をハロメチル化する段階をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
請求項8
前記架橋する段階を前記スルホン化する段階以前に実施することを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
請求項9
前記架橋する段階が、前記マルチブロック共重合体に架橋剤を添加する段階を含むことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
請求項10
前記架橋剤が、前記芳香環上のハロメチル基と反応性を有する少なくとも2つの末端基を有することを特徴とする請求項9に記載の方法。
請求項11
前記架橋剤が、ヘキサメチレンジアミンと、ヘキサメチレンジアミンカルバメートと、フェニレンジアミンと、ヒドロキノンとからなる群から選択されることを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
請求項12
前記架橋する段階を前記スルホン化する段階と同時に実施することを特徴とする請求項7に記載の方法。
請求項13
架橋及びスルホン化においてルイス酸試薬を使用することを特徴とする請求項7または12に記載の方法。
請求項14
前記架橋剤が、前記芳香環と反応性を有する少なくとも2つの末端基を有することを特徴とする請求項6に記載の方法。
請求項15
前記架橋剤が、ホルムアルデヒドと、トリオキサンと、α,α’−ジクロロキシレンと、ジビニルベンゼンと、1,4−ジクロロ−2−ブテンと、ポリ(ビニルベンジルクロリド)と、アジピン酸クロリドとからなる群から選択されることを特徴とする請求項6または14に記載の方法。
請求項16
スルホン化剤が、アセチル硫酸と、ハロスルホン酸とからなる群から選択されることを特徴とする請求項6、14または15のいずれか一項に記載の方法。
請求項17
前記スルホン化する段階を前記架橋する段階以前に実施することを特徴とする請求項6に記載の方法。
請求項18
前記スルホン化する段階が、前記マルチブロック共重合体にクロロスルホン酸を添加する段階と、前記マルチブロック共重合体を加熱処理する段階とをさらに含むことを特徴とする請求項6または17に記載の方法。
請求項19
前記架橋する段階が、スルホン化マルチブロック共重合体にヘキサメチレンジアミン及びトリエチルアミンを添加する段階と、スルホン化マルチブロック共重合体を熱処理する段階とをさらに含むことを特徴とする請求項6、17または18のいずれか一項に記載の方法。
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